さてボクの前にあるものは日八王子の仲買「フレッシュフード福泉」に大量に並んでいたもの。マルハがベトナムから輸入したもので、魚の名前がカンボジアでの呼び名「バサ」である。もともとはアメリカでよくナマズが食べられているのに目をつけたベトナム戦争後移住したベトナム人が輸入し始めたもの。アメリカでは国内でのナマズとの価格差から問題となり、輸出軋轢を起こしている。またそのためなのか今では主な輸出先がヨーロッパへと移りつつあるという。
この「バサ」の学名はPangasius bocourti。非常に大型(250キロにもなるという記述がある)になる種であり、メコン川、カンボジア・トレンサップ湖などが原産。カンボジアでは絶滅の危惧もあるほど減少している。また非常に重要な食用魚であり最高級魚でもある。これを主にベトナム・メコン川で養殖している。餌は海産の小魚など。養殖物は非常に脂の強いものでフィレにするときにこれを大量に除去、また骨も取り去っている。ベトナムではこの脂(油)をディーゼル燃料として利用する計画もあるようだ。
この淡水での大型ナマズは知らず知らずのうちに我らの生活の中に入り込んでいるようである。例えば市販の弁当での白身フライ、また冷凍のフライ材料など。またフィレオフィッシュなどの材料としてマクドナルドが目をつけているという報道も見受ける。
その味わいであるがナマズという既成概念を持ってしても抗えないほどに美味である。言うなれば淡水魚とは思えない淡白さ、そして身質のよさである。主な料理法はフライ、もしくはムニエル。生の状態でふわりと柔らかいのが、熱を通すことでやや締まるが、それでもふんわりとした食感は残る。これがとても心地よい。また身にはまったく臭みがなく、微かに甘味があり、均質にとけ込んだ脂が感じられる。
さて、この「バサ」を調べるのに行き詰まって、結局教えを受けたのが水産物などを輸入販売しているメイプルフーズである。メイプルフーズはもっとも早くからベトナムでの水産物の開発に取り組んでいたとのこと。そしていろいろ聞いていく内に白身用のナマズは「バサ」から「チャー(もしくはチャ、tra、学名Pangasius hypophthalmus)」にかわっているのだという。それは身質的には「バサ」とかわらない上に養殖期間が短いために採算性が高いのだという。すなわち白身魚として大きなウエートを担いつつあるナマズで「チャ」も出来るだけ早く食べてみないとダメだということだ。
●メイプルフーズの矢野さん、山口さんにはたいへんお世話になりました。また「チャー」のフィレはメイプルフーズにて入手可能である。(注/主に業務用)
メイプルフーズ
http://www.maplefoods.co.jp/
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ベトナム料理店のナマズのパイナップル煮でした。
パイナップル煮自体はカインチュアというベトナム
料理ですが、ナマズを使うのはベトナム由来か
どうかはわからず、更にそのナマズの種類も
不明でした。
このナマズ、柔らかすぎるのがちょっと不気味
だったのですが、味はなかなかのものでした。
そして日本に戻ってからベトナム料理店で食べた
パイナップル煮の材料はタイだったのでした。
確かに、オリジン弁当のお惣菜で「ナマズ」食べたことあります。
moonさん、オリジン弁当では「バサ」もしくは「チャー」と明記しているんでしょうか? これからスーパーやお弁当屋さんに行くなら是非調べてみたいです。
衣を付けて揚げたものを中華風のあんかけにして売ってました。食べたのは今年の夏ごろです。
ナマズって弁当の素材にできるほど採れるのかな〜?(しかも安く)と疑問でしたが、謎が解けました。メイプルフーズのホームページも興味深く見ました。
オリジンで「なまず」表示で売っているとは知りませんでした。
ところで、ナマズは米国の「国民魚」です。多分、米国民が食べる魚種の重量ランキングで第1位だったような気がします。(養殖魚ランキングだったかも)南部では大々的に養殖をしています。
ディープサウスが舞台のアメリカ小説や映画で、あまり裕福ではない黒人のお母さんが今晩のオカズに沼にナマズ釣りに出かける場面が出てくるくらいです。
昔、テキサス州出身の商務長官一行を築地案内したときに、彼が「俺んとこじゃあ、ナマズしか見たこないよ」と言っておりました。最近では、ベトナム産の輸入攻勢により米国国内業者との軋轢が問題になっているようです。
近年シーフードに対する需要の高まりで、北半球の鱈、南半球のホキなどの漁業資源が逼迫し、また欧州、日本への白身の一大供給元であった、ビクトリア湖のナイルパーチも、環境意識や社会問題化していることから、その供給量を減らしている模様です。その中で、白身魚の一大メジャーとして急浮上したのが、バサ(ナマズ)という構図です。この魚がどの様にして日本人の食卓に上ってくるのかは興味深いところですが、近いうちに日本市場にも流れ込んでくることは、ほぼ確実と思われます。
中長期的には、ベトナムでの養殖が、環境に配慮し、社会のひずみに根ざしたものでない、持続可能な養殖業となれるかどうかが、最大の注目すべきポイントだと思います。
確かに水産物は国内だけを見ているとなにもわからなくなりますね。
これからも色々お教え願えるとありがたいです。よろしくお願いします。